ちゃんと伝えられたら
「この部分を修正するだけで良かったですか?初めての会議録ですので、レイアウト等も今後この形に決めてしまっていいですか?」

すると坂口さんは私の横にしゃがんだ。

「篠田、その顔を絶対道人に見せるんじゃないぞ。」

「えっ?」

私は同じ目線にある坂口さんに振り返った。

坂口さんはそっと私の額にキスを落とした。

「まあ、そういう事だ。」

ますます坂口さんに今の私の顔を見せられない。

坂口さんは何もなかったように、自分のデスクに戻る。

私もドキドキしている自分を意識しながら、冷静さをなるべく装う。

これから毎日こんな調子だったら、私は持たないかもしれない。

その時はそう思ったのだけれど…。

それから1ヶ月間、私はそんな事を考えられないほどの仕事量を抱える事になった。

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