ちゃんと伝えられたら
「ありがとうございます。もう余計な事を考えている暇もないほどバタバタです。」

私はファイルを抱えながら、苦笑いをする。

「顔つきも変わって来たね。自信が出て来たって感じがする。」

沢野さんはとても嬉しそうにうんうんとうなずく。

「もう沢野に篠田は返してやれないな。」

坂口さんがちょうどこちらにやって来た。

「えっ?」

私が坂口さんの方を向くと、坂口さんはにこりと笑う。

「篠田が居ないと、俺が仕事にならない。」

私の顔にスローモーションのように笑顔が広がっていく。

ものすごく嬉しい。

「それよりこれから会議だろう、出る準備は出来ているのか?」

坂口さんは一瞬で仕事モードに戻る。

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