ちゃんと伝えられたら
席についても、私はぼんやりと雨の降る外の様子を眺める。

「こんにちは、篠田さん。今日もよろしくお願いしますね。」

気さくに声を掛けてきたのは、さっき話題になっていた寺本さん。

私はのっそりと立ち上がると、頭を下げる。

「こちらこそよろしくお願いします。」

そして私の視野には坂口さんの姿が映る。

坂口さんは営業担当の山田さんと楽しく談笑している。

「篠田さん、会議の後で少しお時間をもらっても宜しいでしょうか?」

寺本さんにそう声を掛けられ、私は返事をする。

今の段階では、寺本さんから切り出される話は仕事上の事かもしれない。

そんな状態で無下に断る事は出来ない。

なにしろ寺本さんは発注先の担当者の一人なのだから。

「では後で。」

寺本さんは自分の席に戻って行った。

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