ちゃんと伝えられたら
私は驚きよりも何とも言えない寂しさを感じる。

こんな内容の話を坂口さんから聞くなんて…。

「そうですか、分かりました。」

私は素っ気なく答える。

坂口さんはちょっとためらったようだったが、言葉をつなぐ。

「…具合が悪いようなら、さっきの話は無しにしてくれてもいいから。」

坂口さんの言葉に私は妙に反応して、運転席の坂口さんの方へぐっと顔を向けた。

私は知らず知らずのうちに、膝の上で手を握りしめていた。

ずるい…、あんな返事をしたばかりなのに…。

そのまま車内には沈黙が流れる。

私達はそれぞれに発注先の会社の会議室に入る。

何となくぎくしゃくしている事は間違いない。

坂口さんも口数が少ない。

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