ちゃんと伝えられたら
でも私の中の寺本さんに対する印象は少しずつ変わりつつあった。

会議や電話で寺本さんは私にとても気遣ってくれる。

多分、女性の扱いに慣れているのだろうと感じている。

私は寺本さんに対して、抵抗をかなり緩めていた。

私は家に帰って来た。

「はぁ~、結局一日仕事をしちゃったな。」

私は大きな伸びをする。

そこにラインの着信。

-済まない。明日は出勤しなくてはならなくなった。-

それは当然坂口さんからで…。

ついさっき待ち合わせの時間が決まったばかりなのに…。

-私も出勤しましょうか?-

私は少しでも坂口さんと一緒に居たくて、ついそんな返信を送った。

-その必要はない。またどこかで埋め合わせはするから。-

< 94 / 258 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop