ちゃんと伝えられたら
-分かりました。私の事は気にしないで下さいね。-

私は投げやりにスマホから手を離した。

楽しみにしていただけに、その脱力感は大きい。

「明日、どうしようかな。」

気持ちそのものがどこかへ飛んで行ってしまったようだ。

急に何もする気にもなれなくて、私は寝そべる。

うつぶせになった私は右頬に床の冷たさを感じた。

「急な仕事だからしょうがないよね。」

その辺の事情は私が一番分かっているはずなんだけれど…。

そんな事をつぶやきながらも、胸の中はモヤモヤが納まらない。

知らぬ間に私はそのまままんじりとしていた。

気が付いた時には、床を涙が濡らしていた。

身体が疲れているはずなのに、眠る事も出来そうになかった。

マナーモードにしてあるスマホがどこかで唸っている。

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