教育係の私が後輩から…
「誰かが仕事増やすからじゃない?」
キクさんにお茶を淹れ、私も座ると悪態をついた。
「で、どう?」
「ん〜…まだ、分からないけど、
多分、次の役員会迄にはなんとかなりそう。
誠一郎も、その気になったみたいだし?」
「そう…ありがとう。全てヒロさんのお陰ね?
あれだけ、継がないって言ってたのに…。」
「最初はどんだけ馬鹿なの!?って思ったけど、
やっぱりキクさんの孫だったわ?」
「そっか…で、誠一郎となんかあった?」
「はぁ? な、なんかって何よ?」
「誠一郎の様子がねぇ…?
ヒロさんが怪我したって連絡入った時の
誠一郎(あの子)の動揺ったら…
勿論、私も驚いたし、心配もしたけど…
まさか仕事キャンセルしてまで、
帰るって言うなんて思わなかったわ?」
「‥‥それは、会社内での怪我だから、
労災だとか‥‥
会社の事が心配だったんじゃない?
それに今は‥同僚でもあるから?」
「そう…?」
「まぁ心配する様な関係にはならないから、
安心して?」
キクさんはお大事にと言って、帰って行った。その数分後、再び、チャイムが鳴った。