教育係の私が後輩から…
もう、今度はナニ?
「キクさん、忘れ物??」
また、右足ケンケンして玄関まで行き、ドアを開けるとキクさんではなく、今度は誠一郎だった。
「宣美さん大丈夫ですか!?
怪我したって聞いて、
起きてて大丈夫なんですか?」
ん?
宣美さん…?
「大丈夫じゃなくても、
起きてこないと、ドア開けれないでしょ!?」
この祖孫は…?
同じ会話させんな!
「で、ナニ?」
「動けないだろうと思って、色々買い物して来ました。」
と、言う誠一郎の両手には買物袋が有った。
「…ありがとう。」
買って来て貰った物を受け取ろうとすると、誠一郎は渡してくれず、勝手に部屋へ上ろうとする。
「誰が上がって良いって言ったのよ!?」
「でも、宣美さん、その体じゃ作れないでしょ?色々不便だろうから、僕も暫く仕事休んで、宣美さんの看病する事にしました。」
はぁ!?
買って来ただけじゃなく、看病!?
だから、キクさんが心配する訳だ…?
「突っ込みどころいっぱいあるけど、
まず、下の名前で呼ぶな!
私はあんたより歳上で、
下の名前で呼び合うあいだがらじゃない!
ゆくゆく会社継ぐかも知れないけど、
今は私が先輩で、あんたは後輩!馴れ合いは嫌!」
「後輩が先輩に好意を持って呼んでも良いじゃないですかね?」
「それは、一般人の事!
あんたは違うでしょ!?
ちゃんと立場をわきまえて!!」