教育係の私が後輩から…

「いや、一度の失敗でそこ迄は言わないよ? 君は随分会社に貢献してくれたようだからね? でも、誠一郎とは別れて欲しい。 誠一郎の足を引っ張る者が、側に居て貰っては困るんだよ? 誠一郎にはそれなりのお嬢さんと結婚して貰う。お腹の子が誠一郎の子だと言うなら、それなりに、こちらも誠意は示すつもりだ。生活に困らないだけの事は? 今は、産まれる前でも親子鑑定は出来るそうだから、勿論、検査は受けて貰うがね?」

「止めろ!! 俺の人生を勝手に決めるな!! 俺は宣美と結婚する! 宣美を侮辱する事は誰だろうと許さない!」

「分かりました。直ぐに退職届提出します。それから、お腹の子の父親は誠一郎さんではありません。ですから、慰謝料や手切れ金などは1円もいりません!」

「宣美…なんでそんな事言うんだよ?」

「あんたには、あの時の恨みが有ったから、いつか、一番酷いやり方で償わせようと思っていたのよ!
あんたの子だって言えば、優しいあんたは責任取ると思ったのよ?
籍入れた後に、あんたの子じゃないって分かって離婚するにしても、それだけの慰謝料もらえるじゃない?
上手くいけば、こな会社も頂けるかも知らないじゃない?あーあー、もうちょっとで、玉の輿に乗れそうだったのにね? やっぱり悪い事は出来ないわ?」と、言って、私は笑う。

「これで、お義母さんも、誠一郎も分かりましたよね? この女がどれだけ酷い女か?」

「俺は認めない! 宣美の腹の子は誰がなんと言おうとも間違いなく、俺の子だ!」

「誠一郎、その女と別れないと言うなら、会社を継ぐ事は認めないが良いのか!?」

「ああ! こんな会社どうなっても良い!」

『バッシン!』

私達が守ろうとした会社を…
誠一郎は捨てると言うの!?
許さない!
絶対にそれだけは、許さない!

「こんな会社って言わないで!! どれだけの人が会社を支えてると思ってるの!? そんな事も分からない馬鹿な御坊ちゃんだから、私なんかに騙されるのよ!! こんな馬鹿な男、こちらから願い下げよ!! 二度と私の前に顔出さないで!! 引き継ぎが有りますので、失礼します。」私はひとり会議室を後にした。




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