幼なじみの榛名くんは甘えたがり。
榛名くんは自分の部屋には行かず、
いったんリビングに入っていったので、
そのあとについていく。
ソファにカバンを置いて、冷蔵庫に向かい、お茶の入ったペットボトルを手にして飲んでいた。
わたしはリビングの入り口に立ったまま、その様子を見ているだけ。
「あ、これって肉じゃが?」
「へ……?」
ペットボトルのお茶を飲みながら、榛名くんがキッチンでそう言った。
わたしもキッチンにいくと、榛名くんが
肉じゃがが入ったお鍋を指差していた。
2人分作っていたので、榛名くんが食べる分くらいはまだ鍋に残っている。
「もしかして今日の晩ご飯?」
「え、あ、うん」
「ふーん。これ食べていい?」
わたしが答える前に、食器棚の引き出しから箸を出して、口にしていた。