幼なじみの榛名くんは甘えたがり。



だけど、ふと、昨日のことを思い出し、
冷静な自分が戻ってきた。



……まだ榛名くんの気持ちをきちんと聞いていないこと。


そして、ずっと引っかかっていたチサさんの存在。

それから、涼川さんのことも。



何も説明がないまま、胸にモヤモヤが残ってしまっている。


聞けるのなら、榛名くんの口からきちんと全て聞きたいと思う…。



「……どーかした?」

「っ、」


何も言わないわたしを不自然だと思った榛名くんが、そう聞きながら、わたしの顔を見てきた。



「えっと……あの、榛名くんに聞きたいことがあるんですけど」


「なに?」



「できれば、その起きてきちんと話をしたいんだけど、ダメかな…?」


「ん、いーよ」


こうして、いったん2人ともベッドから身体を起こし、隣同士に並んで座った。


かと思えば、榛名くんはわたしが座る後ろに回り込み、そのまま抱きしめられてしまった。

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