幼なじみの榛名くんは甘えたがり。

「んで、聞きたいことってなに？」


離さないように後ろからしっかり抱きしめられて、おまけに耳元で話してくるし、榛名くんのペースにはまってばかりだ。



「えと……、わたし昨日告白したんですよ」

「うん、知ってる」


「それで……榛名くんの答えを聞いていないような気がして」

「うん、なんも言ってない」


「えぇ……」


そんなスパッと言い返さなくても。

なんで答えを教えてくれないの？という顔をして、後ろに振り返り榛名くんの顔を見た。



「……ひなの困り顔すき」

「え？」


「もっと困らせたいから答えたくないって言ったら怒る？」

「お、怒るよ……っ！」


さっきから、わたしのことをからかってばかり。

わたしはこんなに必死なのに…！！



「ってかさ、僕は前にちゃんと気持ち伝えたじゃん。あれじゃダメ？」



「だ、ダメだよ…！！だって、チサさんとか、涼川さんとか……。榛名くんわたしに何か隠してるもん…！」