限りない愛~甘い彼に心揺れて~
大ちゃんは繋がれた手を握り返して、ふっと力が抜けるように笑った。


「俺はね、何人かの人と付き合ったことがある」

「うん」


大ちゃんの話は私の質問の答えに繋がるはず。私は彼の目を見た。絶対嘘のつかない目だと思う。

だから、どんな話でも受け止める覚悟はできている。

ドーンと来い!


「若かったからさ……好きだと言われて、いいなと思う人だったら了解して付き合った。でも、何らかの理由で別れて、また誰かに好きだと言われたら同じようと付き合うという感じだった。俺もそれなりに好きだったから、自分のしていることは周りと大差もなく、悪いことではないと思っていた」

「うん」


ここまでの話で悪い部分は何もなく普通だと思う。だけど、大ちゃんの表情に少し陰りが出る。


「それがある時、気付いた。大学卒業してから1年が経った頃だったかな。その時に付き合っていた人とは2年くらい続いていて、彼女は自分の仕事が忙しいことで疲れていて、結婚したいなと呟いたんだ」

「うん」


私はところどころで続きを促すように相槌を打った。
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