限りない愛~甘い彼に心揺れて~
しかし、今私の前に座っている社長は気難しい顔をしている。

おずおずと社長の前に預かってきた資料を差し出すけれど、手に持たないからテーブルの上に置かせてもらった。

とても座り心地の良い応接セットの椅子に座っているのだが、とても居心地は悪い。説明しても聞いてくれるのかと心配になる。

だけど、限られた時間の中で使命を全うしなければならないので、たじろいでいる暇はない。


「あの、こちらの資料について、説明させていただきます」


パソコンは開かなくてもいいかなと横に置いて、社長の顔を見ると、じっとこちらを見ていたから思わず身震いしてしまった。

前にも思ったが、社長は目力が強い。なにか分からないけど、なにかを見透かされているように感じる。部長の代理で来た私が気に入らないのだろうか。

ここに来たのはそちらが指名したからなのに……。


「宮坂さん」

「はい!」


名前を呼ばれた私は姿勢をよくして、しっかりと返事をした。もしかして、式典の時の失態について言われるのでは……と怖くなる。

今さらの事だけれど。


「君、大祐とは……」
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