限りない愛~甘い彼に心揺れて~
社長から大ちゃんの名前が出てきた時、「社長!」という切羽詰まった声とともにドアが勢いよく開かれた。

ドアの方を向くと、声だけでなく切羽詰まった顔の大ちゃんが社長を見据える。


「どうして、大祐がここに?」

「どうしてはこちらが聞きたいです。どうして彼女がここにいるんですか?」

「ああ、宮坂さんは今度受ける取材の件で、説明に来てくれたんだよ」

「通常社長に説明するのは部長ですよね? 代わりにしても宮坂さんが来るのはおかしいでしょ?」


やっぱり私が部長の代わりに来るのは、おかしいんだ……。指名されたから、来たけれど。

社長は詰め寄る大ちゃんに気圧されることなく、平然と大ちゃんを見つめる。私は二人の顔を交互に見て、狼狽えた。

大丈夫かな。


「別におかしいことはないだろ?」

「魂胆見え見えですよ」

「大祐が選んだ相手を見たいと思っただけだよ」

「勝手に見ないでください。真帆、行くよ」


不快感たっぷりの大ちゃんは私の手を握って、立ち上がらせる。手を引かれるが、この状態で退室していいものかと足が動かない。
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