限りない愛~甘い彼に心揺れて~
「大丈夫」と苦笑する私の持っていたパソコンを大ちゃんが受け取り、テーブルに置く。


「畑野さんには連絡しておいたから」

「え、何を?」

「手伝ってもらいたいことがあるから、借りると。了承してくれたよ」


いつの間に、そんな話を……。でも、副社長から直接連絡来たら、畑野さんも断れなかっただろうな。

戻るのが遅れると連絡する手間が省けたのは良かったが、私はここで何をするのかな?

多分手伝うことは何もないだろう。とりあえずパソコンがあるから、自分の業務をしようかな。

ディスプレイを開こうと手をかけるが、その手の上に大ちゃんの手が被さった。目をぱちくりさせて、大ちゃんを見る。


「何をしようとしてるの?」

「何って、仕事を……あ、もしかして本当に手伝うことあった?」

「本当にって……いや、何もないけど。そうじゃなくてさ、具合が悪くなったら困るから終業時間まで横になってて」


大ちゃんは座っているソファーを軽く叩いた。

ここで寝転んでいろと?

どこも具合なんて悪くないし、眠くもないのに。
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