限りない愛~甘い彼に心揺れて~
自分でも社長夫人に向いてないのは理解している。だけど、大ちゃんのそばにいたいから、相応しくなるよう努力はしたい。

夜、大ちゃんから珍しく電話がかかってきた。豊川さんから会長が突然来社したことを聞いて、謝ってきた。

かなり心配する大ちゃんに、夜ご飯のおかずに好きな唐揚げを食べたから気分が上がったと伝える。


『大丈夫なら良かったけど……。明日の試写会、真帆も出席する?』

「うん、その予定だけど」

『実は、試写会に会長も出席することになってね。また嫌な思いをさせてしまうかもしれないから、真帆は出ない方がいいと思うんだけど』

「でも、試写会に出席するのは初めてだから、見ておきたい」


ポスター撮影の時にユリナさんに嫌われたから、CM撮影の見学は拒否されてしまった。だから、試写会で見るのを楽しみにしていた。広報部は全員出席予定となっているから、自分だけが見れないのも嫌だ。

大ちゃんが心配する気持ちは分かるが、試写会の場で私になにか言ってくることはないと思う。甘い考えかな。

今になって出席しない理由は思い付かないからと私は予定通り出席する意向を伝えた。
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