限りない愛~甘い彼に心揺れて~
「分かったけど、真帆。何があっても、誰に何を言われても俺だけを信じて」

「うん、もちろん信じるけど」


大ちゃんの言葉は力強いのだけれど、不安にもなる言葉だ。念押しされなくても信じるのに、一体どんなことが起こるというのだろう。

明日は普通の試写会の予定なのに。


「俺が一番好きなのは真帆だからね。真帆以外に好きな人はいないから」

「うん……私も大ちゃんが一番好きだよ」

「ハハッ、そうだな。その気持ちがあれば大丈夫だから」

「大ちゃん、何が大丈夫なの?」


信じろとか好きだとか気持ちを確かめるように言われてはいるが、なにか考えがあって言っているのだと感じる。

大ちゃんは私の問いに言葉を濁した。


「あー、うん。まあ、俺が勝手に心配しているだけだから、真帆は気にしなくていいよ。絶対守るから」

「ん、うん?」


気にしなくていいと言われたら、気になるものだ。だけど、彼からは詳しい答えが出てこなかった。

「おやすみ」と言われたら、同じように返すしかない。

通話を終えてから、頭の中をスッキリさせて整理してみようと窓を開ける。澄んだ夜の空には、細い月がくっきりと浮かんでいた。
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