限りない愛~甘い彼に心揺れて~
「いやいや、私はここで見るよ」
「えっ?」
大ちゃんは予想外の返答に困惑した声を発したが、私はもっと困惑した。
ええっ!
なんで、私の隣に座ると言うの?
どうして、前に行かないのよ?
私の左隣は一番端になっていて、そこは空席だった。会長は驚く大ちゃんと私をよそにし、その空席に腰を下ろす。
「会長、そこでは遠くてよく見えないでしょうから、ぜひ前方へ」
「いいよ、ここで。前は近すぎて疲れるからね。宮坂さん、ここ空いているんだよね?」
「はい、空いています」
再度前方へと言う大ちゃんの言葉を拒否して、私に訊ねてきた。隣に座られたら困るが、空いていないという嘘はつけない。
二度も断られて、無理強いは出来ないと判断したらしい大ちゃんは会長のために用意した席まで行き、ブランケットを手にして戻ってきた。
それを会長の膝にかける。
「足元が冷えますので」
「ああ、ありがとう」
ユリナさんとともに軽く頭を下げて、大ちゃんは前の方へ行く。ふたりは並んで座った。ふたりが並んで歩く姿や互いに目を合わせて笑いながら頷く姿に私の心はズキンと痛む。
「えっ?」
大ちゃんは予想外の返答に困惑した声を発したが、私はもっと困惑した。
ええっ!
なんで、私の隣に座ると言うの?
どうして、前に行かないのよ?
私の左隣は一番端になっていて、そこは空席だった。会長は驚く大ちゃんと私をよそにし、その空席に腰を下ろす。
「会長、そこでは遠くてよく見えないでしょうから、ぜひ前方へ」
「いいよ、ここで。前は近すぎて疲れるからね。宮坂さん、ここ空いているんだよね?」
「はい、空いています」
再度前方へと言う大ちゃんの言葉を拒否して、私に訊ねてきた。隣に座られたら困るが、空いていないという嘘はつけない。
二度も断られて、無理強いは出来ないと判断したらしい大ちゃんは会長のために用意した席まで行き、ブランケットを手にして戻ってきた。
それを会長の膝にかける。
「足元が冷えますので」
「ああ、ありがとう」
ユリナさんとともに軽く頭を下げて、大ちゃんは前の方へ行く。ふたりは並んで座った。ふたりが並んで歩く姿や互いに目を合わせて笑いながら頷く姿に私の心はズキンと痛む。