限りない愛~甘い彼に心揺れて~
玄関前のロータリーに車は止まり、中から出てきたくすんだ緑色の着物に白いエプロンをした50歳くらいの女性が後部席のドアを開ける。

この家のお手伝いさんだろうか。


「いらっしゃいませ。お待ちしておりました」

「あ、ありがとうございます」

「私はこちらで働いております武井と申します」

「私は宮坂真帆と申します。本日はよろしくお願いします」


まずは玄関まで案内してくれた。玄関もやっぱり旅館のように広く、大きな花器にクリスマスっぽい色合いの花が生けられている。

和風モダンな印象を受け、純和風なこの家に合っていた。差し出された白いふわふわしたスリッパを履くと、私のパンプスを武井さんが下駄箱に収納してくれた。

「どうぞこちらへ」とピカピカに磨かれた廊下の先へと案内してくれる。私は武井さんの後を追いながら、落ち着きなく天井や外の庭を見渡した。本当に旅館か料亭のようだ。


「宮坂様がいらっしゃいました」

「あ、来たのか? 武井さん、呼んでくれたら玄関まで行ったのに」

「気が回らなくて、申し訳ございません」

「いや、いいけど。真帆、いらっしゃい。こっちおいで」
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