限りない愛~甘い彼に心揺れて~
大ちゃんに手を引かれて、中に入る。大ちゃんはグレー色のストライプ柄のシャツにネイビー色のスーツを着ていた。ネクタイはしていなく、第一ボタンは外されていて、少しカジュアルな感じだ。


「おはようございます」

「あ、おはようございます」


30畳くらいはあると思われる部屋には大ちゃんの他にユリナさんがいた。彼女はモスグリーン色のタイトなワンピースを着ている。

大ちゃんが私の着ていたコートを武井さんに預けて、ソファーに腰掛けるように言ってくれた。ベージュ色の三人掛けのソファーに大ちゃんと並んでゆったりと座る。

ユリナさんはその垂直方向にある二人掛けのソファーに腰掛けていた。

武井さんが紅茶が入ったティーカップをテーブルに四つ置き、大ちゃんとユリナさんが先に飲んでいたコーヒーカップはさげていく。


「おはよう。悪いね、わざわざ来てもらって」


会長が部屋に入ってきて、ユリナさんと私は立ち上がり「おはようございます」と頭を下げた。濃いグレー色のスーツにボルドー色のネクタイをしている会長は顔色がよく、今日は体調が良さそうだ。
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