限りない愛~甘い彼に心揺れて~
感想を言い合いながら、タクシーに乗って、レストランへ向かう。大ちゃんが予約してくれているから店名も場所も聞いていない。

ワクワクと胸を弾ませていたが、見たことのある景色に気持ちが落ち着いて行く。


「ねえ、大ちゃん……どこに向かっているの?」

「もしかして、気付いた?」


タクシーに乗るとき、大ちゃんは一枚のメモ用紙を運転手に渡していた。「この住所まで」と。運転手は知っている場所だったのか、ナビを設定せずに走らせた。

私だけが行き先を知らなかった。

大ちゃんのことだから、どこかのホテルのレストランだと思っていたが、この辺りに私の知る限りではホテルはない。

この先にあるのはよく知っているレストランだ。


「実は予約するのが遅かったんだよ。いくつかのレストランに問い合わせて、豊川さんにも良さそうなところを聞いてもらったんだけど、どこももういっぱいで、幹太さんにどこかないか聞いたら……」

「うちが空いてると言ったのね? お兄ちゃんったら、ちゃっかりしてる」
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