限りない愛~甘い彼に心揺れて~
好きとかいう部分には触れないで答えた。


「副社長である前にただの大祐なんだけど」


私の返答に副社長は、悲しげな表情をする。間違えた答えを言ってしまっただろうか。

副社長である前にただの大ちゃん?

副社長の顔をもう一度じっと見た時、実亜と洸くんの走る番になり、また話は中断となった。

四人で走っていたが、楽しそうに走る姿はかわいく、全員がほぼ揃った形でゴールのテープを切る。ゴールした瞬間を家族それぞれがカメラやビデオにおさめた。


「無邪気でかわいいな」

「そ、そうだね」

「真帆、無理してる?」


他人行儀な話した方を指摘されて、ですねをだねに変えたみた。だけど、言いにくくて不自然だ。上司と部下としての距離感を崩さないようにしていたのだけど……。


「真帆は難しく考えるというか、真面目なところがあるからな」

「ああ、確かに真面目だよね。でも、寂しい」

「昔みたいに大ちゃん、大ちゃんと甘えて欲しいんだろ? さすがにさ、今の真帆がそうなるのは無理だと思うよ」


兄が助け船を出して、私の気持ちを代返してくれる。私はうんうんと相づちを打つしか出来ない。
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