限りない愛~甘い彼に心揺れて~
入場門からかわいい園児が入っていて、またしても実亜は洸くんと手を繋いでいた。二人はたまに顔を見合わせて、にこっと笑い合うから本当にかわいい。

見ているこっちも顔が綻んだ。


「実亜ちゃんと一緒の洸はデレデレだな。まだ話にならない話だけど、実亜ちゃんの名前を洸から何回か聞いたことあるよ」

「そうなんですね。きっと二人は相思相愛なんでしょうね。本当に見ていて、微笑ましいです」

「真帆……」


これからかけっこをする二人は最後のほうで順番待ちをしていて、手を振る私たちに振り返していた。

そんな中、私は神妙な声で呼ばれた。しっかりと副社長を顔を見ると、声以上に神妙な顔をしている。
  
なにか失言でもしただろうか? と記念式の時と同じように身震いしてしまう。

私は昔から後先を考えない行動や発言をしてしまうことが多く、それで失敗することもたびたびあった。

だから、今回もかと不安になる。


「なんで他人行儀に話すの?」

「えっ? あ、それは……」


口ごもると、兄が追い打ちをかけるように言う。


「それ、俺も思った。大好きだった大祐を前にして、緊張しているのかと思ったけど、違うのか?」

「うん、そうだよ。お兄ちゃんが言うように緊張している。だって、大ちゃんである前に副社長だから」
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