限りない愛~甘い彼に心揺れて~
兄のよく分からない自信を謎に思いながらも、私は副社長を誘った。


「ごめん。午後からは予定があるんだ。俺も幹太くんの店に行ってみたいし、真帆とまだいろいろ話したかったから残念だけど。そうだ、店には今度一緒に行ってよ」

「私が一緒に?」

「もちろん。真帆と一緒に行きたい。ダメ?」

「いえ、ダメでは……」

「じゃあ、来週の夜に行こう。予約がいるなら、幹太くんに頼んでおいてくれる?」


今日行けないのは残念だけど、まさか来週一緒に行くことになるとは……「はい」と返事をして、兄の元へ戻り、予約出来るか訊く。


「特等席を取っておくよ。早速大祐とデートを約束してくるなんて、なかなかやるな。真帆にしては偉いじゃないか」

「えっ、デート? 違うよ。ただご飯食べるだけだよ」

「なに言ってるんだよ。ご飯食べたあと、おとなしく帰らないだろ? 大人なんだから、しっかりやれよ」

「ええっ、なにを?」


しっかりやれって、なにをよ?

大人なんだからって、子供と何が違うの?

混乱して、あたふたする私を兄は豪快に笑う。
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