限りない愛~甘い彼に心揺れて~
めぐみは小さくため息をついて、「鈍いわね」と言う。
鈍い?
どういうことよ?
眉根を寄せる私を、めぐみは真っ直ぐと指差す。私は思わず背筋を伸ばした。
な、なに?
「わかる? 緒方さんは真帆だけを誘ったのよ。大人ならその意味くらい察してあげなさいよ」
「私だけを誘った意味? そういうのは、その人に……えっ、まさか……」
「そのまさかよ。今まで全然気付いていなかったの?」
私はこくこくと首を縦に振った。なにかと気にかけてくれて、優しくしてくれたから感謝はしているけど、私は緒方さんを先輩として見ているし、彼も同じように後輩として見ていて、優しくしてくれるのだと思っていた。
実際私だけではなくて、めぐみや他の後輩にも同じように優しい。だから、自分だけに特別な想いがあるようには感じなかった。
今めぐみに言われても、本当に? とまだ疑う気持ちさえもある。
でも、もし本当ならふたりで食事するのは避けたい。期待をさせてしまってはいけないと思うから。
そんなふうに考えながら、会社から駅までの道を歩いていると1台の黒い車が前方でハザードランプを点灯させて止まった。
鈍い?
どういうことよ?
眉根を寄せる私を、めぐみは真っ直ぐと指差す。私は思わず背筋を伸ばした。
な、なに?
「わかる? 緒方さんは真帆だけを誘ったのよ。大人ならその意味くらい察してあげなさいよ」
「私だけを誘った意味? そういうのは、その人に……えっ、まさか……」
「そのまさかよ。今まで全然気付いていなかったの?」
私はこくこくと首を縦に振った。なにかと気にかけてくれて、優しくしてくれたから感謝はしているけど、私は緒方さんを先輩として見ているし、彼も同じように後輩として見ていて、優しくしてくれるのだと思っていた。
実際私だけではなくて、めぐみや他の後輩にも同じように優しい。だから、自分だけに特別な想いがあるようには感じなかった。
今めぐみに言われても、本当に? とまだ疑う気持ちさえもある。
でも、もし本当ならふたりで食事するのは避けたい。期待をさせてしまってはいけないと思うから。
そんなふうに考えながら、会社から駅までの道を歩いていると1台の黒い車が前方でハザードランプを点灯させて止まった。