限りない愛~甘い彼に心揺れて~
副社長の姿が突然視界に入り込んできて、心臓が大きく跳ねた。せっかく落ち着かせたのに、朝から心臓によくないじゃないか……。

副社長はひとりではなく、社長と社長秘書と一緒にいた。朝から出掛けるのかもしれない。社長秘書はキョロキョロと辺りを見回していた。

誰かが来るのを待っているようで、社長と副社長が待ち合わせ用のテーブル席につくと外へと出ていった。

始業時間が迫っているから、いつまでも副社長たちを見ている時間はない。だけど、彼から目が離せない。それは私だけでなく、他にもいた。

何人かの女性社員が足を止めて、見ていた。明らかに副社長を見ているというのは、近くにいた三人からの「朝から副社長が見れるなんてラッキーだよね」というひそひそとした会話から分かった。

クールでかっこいいというのが、よく耳にする副社長の印象だ。それは、ほとんど女性社員からだが。

時間をチェックして行こうと、エレベーターへ歩き出した時、「誰?」というざわめく声が耳に届いて再び足を止める。
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