限りない愛~甘い彼に心揺れて~
「あ、緒方さん……」

「おはよう。朝から元気だね。でも、そんなに振り回していると人にぶつかるから気をつけて」


緒方さんが手を離したから、私は手を下ろして頭を下げた。


「ごめんなさい!後ろに人がいるとは思っていなくて」

「別に謝らなくてもいいよ。ぶつかってはいないから」

「緒方さん、おはようございます。朝からどうしたんですか?」


恐縮する私を笑うめぐみは緒方さんが広報部に来た理由を訊く。確かに緒方さんがここに来るのは珍しい。


「年末調整に関する書類を持ってきたんだよ。悪いけど、二人で皆さんに配布してもらえるかな?」

「あー、もうそんな時期なんですね」

「はい、みなさんに配布しますね」


緒方さんから書類が入った封筒を受け取る。封筒には個人名が書かれている。個人情報保護のため、書いたらまたこの封筒に入れて、封をして提出となる。


「その子、きれいだよね。さっきロビーでその子が副社長の手を握っていて、見ていた女性社員が騒いでいたよ」

「ええっ! 手を握っていたんですか?」
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