蜜月は始まらない
“他の男のことを想っているうちは、告白しない”。
それは俺が、彼女の気持ちに気づいたときに自分で決めたことだった。
もしかしたら、と考えていた予感が確信に変わったのは、華乃との暮らしが始まってちょうど1ヶ月ほどが経った頃だ。
移動日で試合がなかった日、練習を終えて自宅に戻った俺は強烈な眠気に抗えず、リビングのソファで寝てしまっていた。
意識を手放してしばらくして、仕事を終えた華乃が帰宅する。
玄関のドアを開ける音で一応は眠りから覚めていたけれど、なんとなくまだ起きる気になれなくてまぶたを下ろしたまま動かずにいた。
そこへやって来た彼女はソファにいる俺に驚いたような気配をさせながらも、慎重に近づいてきて傍らに座り込んだようだった。
なぜか視線を感じる気がして、戸惑う。完全に、実は目覚めていると言うタイミングを逃していた。
それから、彼女のスマホに誰からかメッセージが届く。
内容を確認しているらしい華乃が、不意にポツリとつぶやいた。
『……やっぱり、好きだなあ……』
その言葉を聞いた瞬間、心臓がどくんと嫌な音をたてた。
“やっぱり”、“好き”?
もしかして……今届いたメッセージは、前に付き合ってた男からの──?
それは俺が、彼女の気持ちに気づいたときに自分で決めたことだった。
もしかしたら、と考えていた予感が確信に変わったのは、華乃との暮らしが始まってちょうど1ヶ月ほどが経った頃だ。
移動日で試合がなかった日、練習を終えて自宅に戻った俺は強烈な眠気に抗えず、リビングのソファで寝てしまっていた。
意識を手放してしばらくして、仕事を終えた華乃が帰宅する。
玄関のドアを開ける音で一応は眠りから覚めていたけれど、なんとなくまだ起きる気になれなくてまぶたを下ろしたまま動かずにいた。
そこへやって来た彼女はソファにいる俺に驚いたような気配をさせながらも、慎重に近づいてきて傍らに座り込んだようだった。
なぜか視線を感じる気がして、戸惑う。完全に、実は目覚めていると言うタイミングを逃していた。
それから、彼女のスマホに誰からかメッセージが届く。
内容を確認しているらしい華乃が、不意にポツリとつぶやいた。
『……やっぱり、好きだなあ……』
その言葉を聞いた瞬間、心臓がどくんと嫌な音をたてた。
“やっぱり”、“好き”?
もしかして……今届いたメッセージは、前に付き合ってた男からの──?