蜜月は始まらない
「ここね、小さいけど動物園が中にあるんだ。それに今日は快晴だから、芝生の上でお弁当食べるのにうってつけだよー」
今日は顔を合わせてからずっとニコニコ楽しそうにしている華乃が、弾んだ声で言って車を降りる。
彼女が朝からキッチンでせっせと作ってくれていたらしい弁当は、たしかに俺も楽しみにしていた。
その大事な手作り弁当が入った、なかなかに重そうなトートバッグを華乃の手からひょいと取り上げ、駐車場から公園の入り口に向かって歩き始める。
「あ、ありがとう、錫也くん!」
「いーえ。ほんと、晴れてよかったな」
「ね~」
和やかに言葉を交わしながら公園内へと足を踏み入れた俺たちは、まずは昼食にしようと芝生広場に向かった。
平日とはいえ、ちらほらと家族連れやカップルの姿がある。
先導する彼女について行くまま端の方に移動し、持参したレジャーシートを広げた。
「なんか、こうしてると学生時代の遠足思い出すなあ。懐かしい」
テキパキと弁当やら紙皿やらをセッティングしてくれている華乃は今日、オフオワイトのとろんとした素材のブラウスにストライプ柄が入った紺色のパンツスタイルだ。
初夏らしくそれぞれ手首や足首が見える丈で、降り注ぐ日差しに白い肌が眩しい。
今日は顔を合わせてからずっとニコニコ楽しそうにしている華乃が、弾んだ声で言って車を降りる。
彼女が朝からキッチンでせっせと作ってくれていたらしい弁当は、たしかに俺も楽しみにしていた。
その大事な手作り弁当が入った、なかなかに重そうなトートバッグを華乃の手からひょいと取り上げ、駐車場から公園の入り口に向かって歩き始める。
「あ、ありがとう、錫也くん!」
「いーえ。ほんと、晴れてよかったな」
「ね~」
和やかに言葉を交わしながら公園内へと足を踏み入れた俺たちは、まずは昼食にしようと芝生広場に向かった。
平日とはいえ、ちらほらと家族連れやカップルの姿がある。
先導する彼女について行くまま端の方に移動し、持参したレジャーシートを広げた。
「なんか、こうしてると学生時代の遠足思い出すなあ。懐かしい」
テキパキと弁当やら紙皿やらをセッティングしてくれている華乃は今日、オフオワイトのとろんとした素材のブラウスにストライプ柄が入った紺色のパンツスタイルだ。
初夏らしくそれぞれ手首や足首が見える丈で、降り注ぐ日差しに白い肌が眩しい。