蜜月は始まらない
……一見細いのに、出るとこ出てるし適度に肉付き良くてやわらかそうなんだよな……。
彼女を眺めながら無意識にいかがわしいことを考えてしまっている自分に気づき、俺はハッとしてシートに腰を下ろした。
「なんとなく気づいてたけど、でかいな弁当」
「あはは、張り切って作りすぎちゃったかも」
照れたように笑いながら、華乃が水筒から注いだお茶の紙コップを渡してくれる。
お茶で喉を潤し、ウエットティッシュで手を拭いてから、さっそく弁当箱に手を伸ばした。
「うん、美味い」
「よかった! 私はたまごやき食べようっと」
俺が最初に口にしたのは、じゃこととろろ昆布のおにぎりだ。
混ぜ込んであるとろろ昆布の粘り気でもっちりとしていて、プチプチした胡麻の食感もいい。
数種類のおにぎりの他、おかずは唐揚げやたまごやき、アスパラのベーコン巻きにさつまいもサラダがつまっており、隙間を埋めるようにミニトマトが配置してある。
シンプルながらやはりどれもおいしくて、空腹だった俺は次々腹の中に納めていった。
「ふふっ。錫也くんがそんなに食べてくれるなら、綺麗になくなりそう」
「残さず食べるよ。せっかく作ってくれたんだから」
「ありがとう」
俺がキッパリ答えると、華乃ははにかみながらお礼を言う。
青空の下、誰にも邪魔されず和やかにふたりで彼女手作りの弁当を食べるなんて、こんな贅沢はない。
一応これは華乃の誕生日祝いのはずなのに、俺ばかりがいい思いをしている気がする。
彼女を眺めながら無意識にいかがわしいことを考えてしまっている自分に気づき、俺はハッとしてシートに腰を下ろした。
「なんとなく気づいてたけど、でかいな弁当」
「あはは、張り切って作りすぎちゃったかも」
照れたように笑いながら、華乃が水筒から注いだお茶の紙コップを渡してくれる。
お茶で喉を潤し、ウエットティッシュで手を拭いてから、さっそく弁当箱に手を伸ばした。
「うん、美味い」
「よかった! 私はたまごやき食べようっと」
俺が最初に口にしたのは、じゃこととろろ昆布のおにぎりだ。
混ぜ込んであるとろろ昆布の粘り気でもっちりとしていて、プチプチした胡麻の食感もいい。
数種類のおにぎりの他、おかずは唐揚げやたまごやき、アスパラのベーコン巻きにさつまいもサラダがつまっており、隙間を埋めるようにミニトマトが配置してある。
シンプルながらやはりどれもおいしくて、空腹だった俺は次々腹の中に納めていった。
「ふふっ。錫也くんがそんなに食べてくれるなら、綺麗になくなりそう」
「残さず食べるよ。せっかく作ってくれたんだから」
「ありがとう」
俺がキッパリ答えると、華乃ははにかみながらお礼を言う。
青空の下、誰にも邪魔されず和やかにふたりで彼女手作りの弁当を食べるなんて、こんな贅沢はない。
一応これは華乃の誕生日祝いのはずなのに、俺ばかりがいい思いをしている気がする。