蜜月は始まらない
徐々に体重をかけられて、背中がソファの座面に沈んだ。
呼吸のために僅かばかり唇が離れると、まるで飢えた獣のような彼の瞳とかち合う。
「すず、やくん」
「……ダメだ。歯止めがきかない」
呻くように言ったかと思ったら、急に自分の身体が浮いて驚いた。
私の背中と膝裏に手を回した錫也くんによって、軽々と抱き上げられている。
とっさにすぐそばにあった錫也くんの首にしがみついたけど、そんなものがなくても逞しい彼にかかれば私の身体なんて簡単に運べてしまうのだろう。
焦りながら、なんとか言葉を探した。
「ねぇ待って錫也くん、あの、お、おなかすいてない?! お昼ごはんは?!」
「ちょっとドームに寄って即行帰ってきたから、食ってない。けど今は、正直それどころじゃない」
まっすぐ錫也くんが向かったのは、リビングから続いている彼の自室だ。
壁際に鎮座するベッドに大股で近づき、私の身体をそっと横たえる。
そのまま覆いかぶさって私の顔の両脇に手をついた錫也くんは、やはり欲望の炎がともった目をしていた。
「華乃がそばにいてくれるようになってから、俺はいつも空腹だ。華乃の料理は美味いけど、もう、それだけじゃ満たされない」
「あ、あの」
「……華乃」
呼吸のために僅かばかり唇が離れると、まるで飢えた獣のような彼の瞳とかち合う。
「すず、やくん」
「……ダメだ。歯止めがきかない」
呻くように言ったかと思ったら、急に自分の身体が浮いて驚いた。
私の背中と膝裏に手を回した錫也くんによって、軽々と抱き上げられている。
とっさにすぐそばにあった錫也くんの首にしがみついたけど、そんなものがなくても逞しい彼にかかれば私の身体なんて簡単に運べてしまうのだろう。
焦りながら、なんとか言葉を探した。
「ねぇ待って錫也くん、あの、お、おなかすいてない?! お昼ごはんは?!」
「ちょっとドームに寄って即行帰ってきたから、食ってない。けど今は、正直それどころじゃない」
まっすぐ錫也くんが向かったのは、リビングから続いている彼の自室だ。
壁際に鎮座するベッドに大股で近づき、私の身体をそっと横たえる。
そのまま覆いかぶさって私の顔の両脇に手をついた錫也くんは、やはり欲望の炎がともった目をしていた。
「華乃がそばにいてくれるようになってから、俺はいつも空腹だ。華乃の料理は美味いけど、もう、それだけじゃ満たされない」
「あ、あの」
「……華乃」