御曹司は眠り姫に愛を囁く
自分だけの城、空間を手に入れてお気に入りのインテリアや家具、雑貨で部屋をコーディネイトした。

長年の夢は実現したが、女性専用マンションはセキュリティや女性用の設備に特化しているが故に一般のマンションに比べて、家賃が高かった。


『シーナ』の初任給は他の大手企業に比べて、多い方らしいが、横浜の物価は決して安くなく、一人暮らし私の収支は毎月ギリギリだった。


ショールームの営業時間は17時まで、残業があっても19時には終わる比較的楽な雰囲気。
仕事が終わってからでも、アルバイトが就業も可能。

『副業禁止』の社内規則がなければ、今すぐにでもアルバイトを始めるのに。生真面目な私は『シーナ』の給料だけでやりくりして、日々節約を心掛けていた。
そして、今日も早起きして、弁当作り。

皆と同じように仕出し弁当を注文すれば良いのだけど、塵も積もると山となると思い、手作り弁当を持参する。

稜さんにリクエストされ、何度か手作り弁当を彼の為に作ってはみたけど、偏食家で、ジャンクフード大好きの彼には我が家の家庭の味は合わなかった。


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