御曹司は眠り姫に愛を囁く
授かり婚
実家は横浜の郊外のベットタウンにあり、大学卒業までは実家から通学していた。

実家から通勤しても、毎日苦にならない程度の通勤時間だったけど、私はどうしても一人暮らしを経験したかった。

アメリカンカントリー風のインテリアと家具で揃えられた実家は母の趣味。


母は家具だってデザインしてDIYしてしまう拘り振り。
父は逆に居住空間に無頓着で、母の趣味に全く口を挟まなかった。
自分の部屋は小学校に上がった当時からあったけど、すべてが母の趣味で染まっていた。

私は居候の身だし、自分の部屋を持てば、母の趣味ではなく、自分の好きな家具やインテリアと雑貨で統一しようと思っていた。

それを実現したくて、『シーナ』に内定した途端、部屋を探し始めた。

しかし、家では無口な父も私の一人暮らしには反対した。一人暮らししたいなら、先に結婚しろと言い出した。
結婚なんて、相手が居なきゃできないワケだし、私は父を納得させようとセキュリティ対策万全の女性専用のワンルームマンションを探し回った。






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