御曹司は眠り姫に愛を囁く
室雨さんが意識のない椎名さんを背中に担ぎ上げて、部屋まで運んだ。

私は彼のビジネスバックを持ち、二人の背中を追って、椎名さんの部屋にお邪魔した。

私の想像した通り、部屋はラグジュアリーな空間に囲まれていた。
熱のある椎名さんを奥のベットルームに運び込んで、リビングルームに戻って来た。

「椎名さん、大丈夫ですか?」

「盆休みは二日だけとって、後の休みは返上して、仕事していましたから・・・無理が祟ったのかな?支社長」

「私に出来るコトがあれば・・・」

「俺、駅前のコンビニに買い物に行って来ますので、その間だけ、支社長をお願いします」

「冷えピタなら、ありますから・・・部屋から持ってきます」

「ありがとうございます・・・玄関にカードキー置いていますので、使ってください」
室雨さんは私に椎名さんを任せて外出した。


私は自分の部屋に戻り、看病に必要な物を揃え、椎名さんの部屋に戻った。

「お邪魔します」

彼の眠る奥のベットルームに入った。



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