御曹司は眠り姫に愛を囁く
奥の椎名さんの部屋の前で、男女が抱き合う姿が視界に入り込んできた。

男性は椎名さん。女性は滑らかな白い肌が綺麗な艶のある見知らぬ女性。


二人は私の姿に気づかず、激しいキスを交わしていた。


初めて目の当たりにする椎名さんの男の顔。

角度を変えて交わされる濃密な二人のキスの応酬に鼓動が高鳴り、自分まで変になってしまいそうだった。

二人の顔が離れ、濡れた唇同士から引き合う銀色の糸が何とも淫靡に映る。


私は慌てて、カードキーでドアを開けて、バタンと閉めた。


鼓動が高鳴り、早鐘を打つ心臓は暫く収まらず、頭の中は二人のキスシーンで独占され続けた・・・






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