御曹司は眠り姫に愛を囁く
柘植社長の顔で『プラチナ』に入るコトが出来、その上、洋服までプレゼントして貰えた。
私が選んだ洋服はサテン生地の光沢のある上品な白地の花柄のフレアワンピース。足許は白の踵の高いサンダル。
アクセサリーも身に着けていれば完璧だけど、今夜はこれでいい。
柘植社長は会食を約束している方の元へ、私の買い物と『プラチナ』の送迎は池口さんが同行してくれた。

「何から何まで、ありがとうございました。柘植社長にもありがとうございましたとお伝えください。池口さん」

「貴方は社長の一人娘・・・当然のコトしたまでです。凛音様」

「池口さん」

「この角を曲がれば、『プラチナ』です。
私が同行できるのは店の前まで。店の飲食の決済は全て…このカードでお願いします」

「でも、このカードは…柘植社長の・・・」

「これは貴方に渡すよう言われたカードです。お受け取りください」

「池口さん」

私は池口さんから柘植社長のクレジットカードを受け取った。

「当ホテルの支配人を通し、貴方の素性は『プラチナ』に伝えてあります。柘植社長のお知り合いとして、粗相のないふるまいをお願いします」

「はい」









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