御曹司は眠り姫に愛を囁く
「!?」
バックの中のスマホがピロロ…と鳴った。
ディスプレイには須藤さんの名前。

「もしもし・・・」

――――ちゃんと家路には着いた?

私がちゃんと帰宅できたかの確認の電話だった。
須藤さんって心配症?

「はい・・・」


――――そう、良かった・・・


安堵する須藤さんの声はとても心地よく鼓膜に届く。

「まだ、椎名支社長と飲んでるんですか?」


――――瑛は今、お手洗いだ・・・



「へぇー」


―――――今は瑛の部屋に来て、一緒に飲んでいる・・・


支社長の部屋か・・・


――――そうだ。明日・・・時間ある?


「明日ですか?」

予定と言っても、部屋の掃除と買い物ぐらい。


――――新規で、マンションのリフォーム工事の依頼が入った・・・どう?来れる??

「大丈夫です」

――――品川のデザイナーズマンションのリフォームだ・・・


「へぇー・・・」

――――じゃマンションまで向かいに行くから、アドレス教えて

「あ…はい・・・いいですけど・・・」



会社の人にマンションのアドレスを教えるのは初めて。

須藤さん、このタワーマンション見たら、勘違いするかも。私がどこかの令嬢だって・・・

――――どうしたの?貴崎さん


「待ってく下さい。今すぐ教えます・・・」


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