御曹司は眠り姫に愛を囁く
「須藤さん、お疲れなんですね・・・」

「まあね」

須藤さんは柔らかな笑みを湛え、私を愛しそうに見つめる。

「ゴメンね…君にも仕事あるのに・・・」

「私の仕事のコトは心配しないでください。自分のカラダを心配してください」

「ありがとう・・・凛音」

彼が私の名前を甘い声で呼ぶと額にチュッとキスをした。

「須、須藤さん!?」

「陸翔と呼んでよ。凛音」

今まで、オフィスでは見せなかった別人のような雰囲気に少しだけ戸惑った。


「り、り、陸翔さん・・・」

「声が慌ててる・・・テレてるの?可愛いね・・・」


「・・・余り、長居すると…皆に・・・」

「そうだな・・・少しだけ疲れが取れた…ありがとう。凛音」

須藤さんは私を抱き締め、額にキスしただけで元気を取り戻したよう。

「そうだ・・・瑛のヤツの引っ越し完了したそうだ」

「リフォームの日時も決まったんですか?」

「まあね・・・これから益々忙しくなる。でも、盆休みは絶対に取って、君と初デートする」

「それまで、待ってます。陸翔さん」








< 80 / 171 >

この作品をシェア

pagetop