World End 〜七情の泉〜
翼は目の前に広げられた資料の山に手を伸ばした。親指と人差し指で紙をめくり、資料に目を通していく。美しい街の写真や森の写真…だが次第に怪しくなっていく。


眉間にしわを寄せた翼の手がピタッと止まった。



「如何なさいましたか?」



その事に素早く気がついたのはカプアーノだった。



「この泉……今もこの色ですか?」

「この写真を撮ったのは泉が穢れてしまったと気付いた時ですので、今もこの色かは分かりかねます。 日が経つにつれ魔物たちも増えていき中々近寄れないのが現状です。 色が気になりますか?」



泉の中心から突き出す女神像。その女神像の足元を覆う汚れた水。翼は見覚えがあった。



「ガイアが見せてくれた景色に映るこの泉はもっと黄土色でした」



写真の様にすけてはいなかった。粘土のような、泥のような…液体とは思えない有様だった。



「それは早急に手を打つ必要がありますね」

「え?」

「かなり状況が酷くなっているということでしょう。 ローゼンバーグ総長、喜びの泉へ行くとしたら、どのくらいかかりますか?」

「今は魔物が溢れているからな……良くて3、4日。 最悪1週間はかかるだろう」

「そうですか……」



カプアーノは手を顎に添えるように人差し指の先で唇に触れ考え込んだ。





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