ケモノ系ケモノ型男子。
「大学……行かないでください……」



ずっと閉まっていた事が溢れ出した。



「……行かないでください!行っちゃ嫌です!先輩がいないと私……。黒谷先輩……行かないで……」



16歳、最後のわがままを大嫌いな黒谷先輩にぶちまけた。


先輩は無言で私に近づいてくる。



きっと怒られるだろうな。


そう覚悟して目を瞑った。



「白井、頑張ったな」



予想外の言葉に私は声が出なかった。



見上げると先輩は見たこともない優しい笑顔で私を見ていた。



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