遠距離の彼 と 近距離の同期
「待ってるから、泊まる用意をして来いよ。」

天が言った。

「ヤダって言ったら?」

「俺がお前ん家に泊まる。」

全く、俺様なんだから。

私は部屋の鍵を開けた。

「用意するから、中で待ってて。」

私がそう言うと、天は素直に私に続いて部屋に入った。

「その辺、座ってて。」

私は、大きめのトートバッグに部屋着と明日の着替え、歯ブラシ、化粧品などを詰め込んだ。

「お待たせ。」

私が言うと、天は私からトートバッグを取りあげて、廊下へ出た。

私がドアに鍵をかけると、天は無言で私の手を取って、歩き出す。



どうしよう。

私は産後の体。

天、幻滅しないかな?

がっかりしたら、どうしよう?


私は、これからの事にドキドキしながら、天に手を引かれて歩いた。


でも…

階段で見上げると、いつもより高い位置に天の横顔がある。


でも…

天が私をどう思おうと、私は天が、


だいすき。




だから、天、お願い。

私を嫌わないで。



私たちの関係が変わっても、

天が私を思う気持ちは、

そのままでいて………





─── Fin. ───
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