遠距離の彼 と 近距離の同期
突然の事に、私が何も言えずにいると、

「お前、好きな男以外に、抱きつかせるなよ。
好きじゃないなら、抵抗して振り払えよ。」

と私の頭に頬を乗せて囁かれた。

私は、その言葉で我に返って、慌てて天の手を振りほどく。

だって、天が横にいるのが当たり前で、天に触られるのは、別に嫌な感じ、しなかったんだもん。

だけど、心臓は正直で、今もドキドキ大きな音を立ててる。

「だったら、天がそんな事、しなきゃいいじゃん。
天のバカ!」

「だよな。ごめん。」

その声がいつもと違って少し沈んでて、なんだか調子が狂う。

「天? どうかした?」

私が、下から天を見上げると、

「別に。


さ、コアラ行こうぜ!」

といつもの調子で言われた。

今日の天、なんか変?
< 66 / 284 >

この作品をシェア

pagetop