政略結婚!?箱入り令嬢は俺様社長に愛でられています
余裕の表情を浮かべている彼が、ゆっくり顔を下ろしてくる。私はあわてて叫んだ。
「体格差を考えてください!」
「ん?」
不思議そうに私を見下ろす彼に、まっすぐ言い放つ。
「力でねじ伏せるのは、卑怯です」
じっと私を見ていた彼が、ふいに手の力を緩めた。
「……確かに」
腕を解放され、私はそそくさと後ろに逃げる。
「悪い、つい興奮して」
あけすけな言い方に、私はますます距離を取った。心臓の音がうるさくて、胸がしびれかけている。