100%ない恋物語
出会い
これは、ある男が一枚のハンカチを
拾った事から始まった 絶対にあり得ない恋?物語です。

9月21日(金曜日)
いつものように、6時に起きて
いつものように、朝食
いつものように、7時16分に家を出る
8時50分職場に着く
東京多摩地区の市内から異動の為、
恵比寿に在る本社迄通っている。

最上涼 (27才)
イベントなどの企画を行う仕事をしている

「おはようございまーーす」

今日は何故だか、全くヤル気がない!
ダラダラと時間が過ぎ、時刻は5時48分
定時迄あと12分
すると、俺の2つ上の宮坂先輩が声を掛けて来た。

「最上君今日も残業?」

「あ、いや、今日は帰ります。」

「あら、珍しいじゃない調子悪いの?」

「そう言う訳じゃ無いんですけど、今日は帰り・・たいんです すいません。」

ヤル気ないなんて言える訳ないし

「いいんじゃない そんな時もあるわよ私なんか毎日思ってるし! そっか、デートに誘おうと思ったんだけど」

「え!あ、あの」

ん、なんか、嫌な視線を感じる!
みんなが殺気に満ちた目で見ている。

「冗談よ!でも、ちょっと付き合ってほしか ったんだ」

「すいません」

「大丈夫だよ。お疲れ!」

席を立つと同僚達が此方を見ている。

    

「おつ・・・かれさまでした」

怖!逃げるように会社を出た

空はまだ明るくこんなに早く帰るのは久しぶりだ。
駅までの道のり、真っ直ぐ帰るのもつまらない夕食には早いし、
ふらふら歩いていると、前を歩いている女性がハンカチを落とした

「あの、ハンカチ落としましたよ」

「え、あ、すいません。
ありがとうございます。」

うわ!可愛い、、、

「あ、いえ、可愛いハンカチですね。」
薄いピンクの花柄のハンカチだった

「はい。わたしの大切なハンカチです。」

「そうなんですか、、、贈り物とか」

「・・・」

「ごめんなさい。変な事聞いて」

「大丈夫です。あの、お時間ありますか?」

「はい、ありますけど?」

「良かった!
お礼がしたいので行きましょう!」

「え!何処に行くんですか?」

「カフェです。私のお気に入りのお店で、
行く途中なんです」

「お気に入りの、、、」

「はい!ダメですか?」

断る理由もないし、ちょっと小腹も空いたし
「はい。行きましょう。」

なんだろう?この感じ?この懐かしいような、どこかで会ったような?
分からないけど、
初めて会った気がししない?

“そう、それは後にあり得ない奇跡の再会である事を
この時、俺はまだ知らなかった”



しばらく歩きその店の前まで来た
「ここです。」

お洒落な店だエスプレッソディー、、、

「お洒落な店ですね」

彼女は笑顔で 「はい 」っと答えた

「俺はベリーベリーパンケーキと
カフェラテで」

「私はキャラメルナッツと
カフェラテでお願いします」

注文後、俺達は席に着いた
数秒の沈黙のあと、

「俺、2年くらい通勤で恵比寿まで通ってます
けど、こんなお洒落な店あったんですね
終わったらすぐ駅に行ってしまうので」

「そうなんですね」

「あ!そう言えば、
名前聞いてなかったですね」

「そうですね!ごめんなさい!」

「いえ、俺 最上涼です」

「私は、上高地結実です」

上高地・・いかにもお嬢様って感じだ、ただ苗字が3文字だけでそんな感じがする
やっぱりお嬢様なのかな?

「あの、上高地さんは、家は近いんですか?
俺は、ここから1時間半くらいの所です」

「遠いですね」

「そうですね、
プチ観光地みたいな所もあって
あの上高地さんは」

「私は自由が丘です あ、結実で良いですよ」

自由が丘、
間違いなくお嬢様だ!ってなに考えてるんだ

「プチ観光地?」

「そうです。湖があって、その堤防から見る
景色は絶景です。桜の季節は最高です。」

「綺麗なとこですね。行ってみたい!
今度、連れてって下さい。」

え!それって誘ってる?
今日初めて会ったのに?

「自由が丘って、お洒落な街ですよね。
行ったこと ないけど、
一度行ってみたい街です。」

余計なこと言ったかも?

「そうなんですね!行きましょこれから、」

嬉しそうに笑う結実さんがいる

「え、あ、あの今日じゃなくても!」

「よかったら、
私の家で夕飯食べていって下さい」

なにを言っているんだ?
今日会ったばかりの人を
しかも男を誘うなんて・・
いくらなんでもダメでしょ!

「え!いや、それはダメですよ!今日会ったばかり で、しかも俺、男ですよ!それはお断りします」

つい強い口調で言ってしまった
結実さんは
うつ向いて今にも泣きそうな顔をしていた
ちょっと言い過ぎたかな

「ごめんなさい最上さんと一緒に居たくて、
よくわからないけど、
ハンカチを拾ってくれた時 から、
すごく気になってて、だから・・」

「ごめんなさい。ちょっと言い過ぎました。
あの本当に良いんですか?食事?」

「はい!父も母も喜びます!」

ひとり暮らしじゃないのね!ってなに考えてるんだ

言った手前、断れない!

「・・・・よろしくお願いします」

「それじゃ行きましょ!私の家に!」

でも、何故だろう?
強引と言うか自分勝手と言うか
世間知らずと言うか、
それでも何故か憎めない?
一緒に居たいという思いすらあるのは!?
< 1 / 9 >

この作品をシェア

pagetop