神様には成れない。
これに関してもどうやら私よりも彼が心配してくれているらしく、思い出したように声をあげる。
もはや今更で、今日は色の暗いスカートを履いていたのであまり目立ちもしない。目立ちはしないだけで確実にシミにはなっているだろうけれど。
「気にするほどでもないから大丈夫だけど……」
洗わないままなのも気持ちが悪い事には変わりないので水場を探す。
公園なだけに気づかなかっただけで足洗い場がすぐそばにあった。
蛇口を捻り、水が出た事を確認してからスカートの裾を少し持ち上げ、びしょ濡れにならない程度に汚れたところに水をかける。
「えっ?!えぇ?!」
「へ?あ、ごめんなさい!雑な事して!」
慌てて水を止めて、濡らした所にハンカチを当てて水分を取る。
水をかけてしまう方が早いと思いそうしたのだが、驚かせてしまったらしい。
どうも私は雑破にしがちだ。
「う、ううん。雑な事はいいんだけど……その、スカート上げるのはどうかと」
私は雑な事をしたのが悪かったと勘違いしていたらしい。
今も尚スカートの裾を少し持ち上げてしまって居るのだが、困ったように彼は周りを気にしている。
「あ、」
そこで漸く、はしたないという事を言いたいのだと気づく。
しかし、謂わばミモレ丈のスカートを履いている為、引き上げると言っても膝くらいまでで、どうって事は無いと個人的には考えていた。だが、指摘されたのだから自重はすべきだろうか。
一度ぎゅっとハンカチをスカートに押し当ててパッと手を離した。
「ごめんなさい。カッコ悪い事してたね」
「いいんだけど、それじゃあ逆に気持ち悪いでしょ」
「でも今日は、良いお天気だからちょっと外出てればすぐ乾くよ」
「案外、お転婆みたいな事言うなぁ」
困ったような表情を浮かべるけれど、だからってこれ以上はどうする事も出来ないだろう。
この服も普段着なのであまり気にする必要はない。
「よし。じゃあ、おいで」
「??」
グイッと手を引っ張られて、一瞬足がもつれながらも引かれるまま歩き出した。