神様には成れない。
場所を大幅に移動して、施設内のショップ街に来ていた。
そこもまた華やかで色んな色が目に入ってくる。手を引かれながら何となしに見ていたのだが、このエリアは丁度私がよく行くショップが数多く集まっていた。
「う~~ん、と、瀬戸さんあの辺で服買ったりする?」
「え?あ、うん。そことかはよく行くかな」
アバウトに差されたエリアの中で目に付いた、一つのショップを指差す。私はシンプルな服の方が好きなのでそう言った系統のお店なのだ。
彼は迷う事なくそのお店の方へ向かい、入り口で商品整理をしていたであろう店員さんに徐に声を掛けた。
「すみません。この服に合うスカートか何かってありますか?」
「え?え?」
「はい?」
困惑と困惑。私と店員さんは唐突な事に同じような反応をしていただろう。
しかし、店員さんは此方をジッと見て直ぐに切り替えた。
「それだったら……これとか、この辺りですかね」
慣れたように迷いなく数着手に取る。
私はボケッと何故か他人事のようにその光景を見ていた。
「今着ている服もとても似合ってると思うんですけど……あ」
彼が声を掛けてきた疑問はすぐに思い当たったように、納得の表情を見せる。
「じゃあ、これを……タグ切っておいてください。ほら、瀬戸さん」
店員さんはポケットに挿していた折り畳みの鋏を取り出すと、パチンとタグを切った。
「う、え?」
未だに状況を把握出来ていない私はおどおどと戸惑う。
「丁度試着室空いてるのでどうぞ~」
私は彼に背を押され、店員さんは商品を持って付いてくるように促す。
何が起きているか分からないまま、私は只々従うように足を動かしたのだった。