神様には成れない。


スカートを履きかえて鏡を見れば、シルエットが綺麗に出て先まで履いていたものより見栄えが良く見える。


「この服可愛いなぁ……」


裾を掴んで体を捻って横や後ろを確かめる。


「お客様ーー?いかがですか?」

「あ!はい!はい」


声を掛けられて慌ててカーテンを開ける。


「わ~~良くお似合いです!」

「あ、あの……」

「私が見立てておいてなんですが、お姉さんにこのスカートは違うかなって少し思ってたんですけど、背が高めだから綺麗にシルエットがでるんですね」


勉強になりますなんていいながら、私が手に持つ先まで履いていたスカートをさり気無く取り、ショップの袋に入れてしまう。


「彼氏さん、よくお姉さんの事分かってるんですね~~」

「う……っ」


店員さんにとっては何気ない世間話に過ぎない事なのだろうが、はっきりと言われてしまえばまた意識をしてしまう。

今更な話なのに。


「入口までお見送りしますね~~」

「あ、お金……」

「彼氏さんからいただいてます~~」

「へ!?」


ずっと挙動不審な私に動じることなくサラリと会話を続けて店の入り口まで誘導してしまう。

試着室に入ってから見当たらなかった彼はどうやら外に出ていたらしく、そこで漸く見つける事が出来た。


「あ~~!彼氏さん、ありがとうございました~~!お姉さんもデート行ってらっしゃいませ~~」


店員さんは先よりも声の調子を上げてそう言い、ペコリと頭を下げたのだった。



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