神様には成れない。
一人分の間を空けながらベンチに並んで座る。
手に持った飲み物を開ける事もなく、指先で缶をなぞる。ひやりとしたアルミの感覚が心地いい。
隣を見れば彼もまた同じようなもので、飲む様子はない。
この行動に特に意味はなく、買ったにも関わらず帰るまで飲まないことなどままある事なのだ。
初めて彼にジュースを奢って、次のバイトではお返しと言って奢り返してくれて。
それから何となく互いに飲み物の買い合いをするようになったのだ。
公園に来ればとりあえず自動販売機に向かう事が暗黙の了解になっていた。
そうやって会話が開始される。
「京ちゃんが佐伯くんと淵くんに謝っといてって言ってた。ごめんなさいって」
「いやいや、謝るのはこっちでしょ。いくら佐伯がめんどくさかったからって嫌がってたのを無理矢理付き合せちゃったし」
「でも、私の主観だけど京ちゃん何だかんだで普通に話してたし、話しやすかったって言ってたよ。って勝手にこんな事言うと怒られちゃうから内緒なんだけど」
「そっか。なら良かった」
淵くんは何故かクスクスと笑いながら、返答をする。
何か変な事を言ってしまっているのだろうか、考えてみるも思い当たる節などない。
話の内容など、言ってしまえば報告のようなものなのだから。
「私何か変?」
「んーーん。ただ、瀬戸さんから友達の話聞くのって初めてだから、何となく微笑ましくて。親心、みたいな?」
「親心って……」
一体淵くんは私に対してどんな立ち位置にいるのだろうか。