Sweet Healing~真摯な上司の、その唇に癒されて~
最初に見たのは、初めて二人でその店の前を通った時。そして、二度目に二人で訪れた時、一彰の強い希望で千紗子はこのワンピースを試着することとなった。
試着してみると着心地がとてもよく、体にフィットしながら美しいラインを描くそのワンピースは、オフホワイト一色で、全体を柔らかな印象に仕上げていた。
七分丈の袖は二の腕から緩やかに膨らんで可愛らしく、浅いブイカットの胸元、ウエストの高い位置で一旦切り返されたスカートは、ふわりと広がってひざ下に落ち、そこから出た足の部分を細く見せてくれている。
これまでの地味で無難な自分の服とは全く違う、可愛さと上品さを兼ね備えた装いに、千紗子はただただ驚くばかりだった。
試着した千紗子は、恐る恐るフィッティングルームの扉を開けると、待っていた一彰の前におずおずと自分の姿を披露した。
「可愛い。今すぐ食べたい。」
あの時と同じ台詞が、今、吐息と共に耳にかかる。
千紗子の顔に熱が集まり、心臓が忙しなく脈を打ちはじめた。
「あ、あの…ここは、」
「おい、一彰。ここでは俺の料理を先に食え。」
言いかけた千紗子の言葉の上から、被さるように降って聞こえた見知らぬ声に、千紗子の体がピクリと固まった。